前回 : LINQでDBにアクセスしよう。ORMでもいい。

Prompt

よし!じゃあSystem.Data.Entityのほうで
接続文字列によるDB接続 -> LINQを使ったSELECTクエリ -> DataGridViewへの表示
までの方法を詳しく教えて!

よっしゃー!それじゃあ、System.Data.Entity(EF6)を使って、DB接続からLINQでのSELECTクエリ、そしてDataGridViewへの表示まで、ステップバイステップで詳しく解説していくね!

これはWindowsフォームアプリとデータベース連携の王道パターンだから、しっかり身につけていこう!


EF6を使ってDB接続からDataGridView表示まで

前提準備:プロジェクトのセットアップ

  1. Windowsフォームアプリケーションプロジェクトの作成:

    • Visual Studioで新しい「Windowsフォームアプリケーション (.NET Framework)」プロジェクトを作成してね。
  2. Entity Frameworkのインストール:

    • プロジェクトを右クリック → 「NuGetパッケージの管理」を選択。

    • 「参照」タブで EntityFramework と検索。

    • 最新の安定版(通常は6.x系)をインストールしてね。

ステップ1:データベースモデルの作成 (ADO.NET Entity Data Model)

これはEF6を使う上で最初にやることだよ。データベースのテーブル構造をC#のクラスとしてモデル化する作業だね。

  1. プロジェクトにADO.NET Entity Data Modelを追加:

    • プロジェクトを右クリック → 「追加」→「新しい項目」を選択。

    • 「データ」カテゴリの中から「ADO.NET Entity Data Model」を選択して、例えば MyDatabaseModel.edmx のような名前をつけて「追加」をクリック。

  2. モデルコンテンツの選択:

    • 「EF Designer からデータベース」を選択して「次へ」。
  3. データ接続の選択:

    • 「新しい接続」をクリックして、データベースへの接続設定を行う。

      • サーバー名(例: (localdb)\MSSQLLocalDB や実際のSQL Server名)を入力。

      • 認証方法を選択。

      • 接続したいデータベース名を選択。

      • 「接続テスト」で成功したら「OK」。

    • 接続が設定されたら、「App.config にエンティティ接続設定を保存」にチェックが入っていることを確認し、名前(例: MyDbContextYourProjectNameEntities など)を確認して「次へ」。

  4. データベースオブジェクトの選択:

    • モデルに含めたいテーブル、ビュー、ストアドプロシージャを選択。今回は例として Students テーブルを選択してみよう。

    • 「モデルの名前空間」はそのままでOK。

    • 「完了」をクリック。

これで、MyDatabaseModel.edmx ファイルと、それに付随するC#のエンティティクラス(Student.cs など)やDBコンテキストクラス(MyDbContext.cs など、DbContextを継承しているクラス)が自動生成されるよ。


ステップ2:LINQを使ったSELECTクエリの作成

MyDatabaseModel.edmx を作成すると、自動的に生成された DbContext を継承したクラス(例: MyDbContext)があるはずだ。このクラスを使ってDBにアクセスするよ。

C#

// Student.cs (自動生成されたモデルクラスの例)
// EFがDBテーブルのStudentsからこのクラスを生成してくれる
public partial class Student
{
    public int Id { get; set; }
    public string Name { get; set; }
    public int Age { get; set; }
    public string Grade { get; set; }
}

// MyDbContext.cs (自動生成されたDbContextクラスの例)
// これがデータベースとのやり取りの窓口になるよ
public partial class MyDbContext : DbContext
{
    public MyDbContext()
        : base("name=MyDbContext") // App.configの接続文字列名と合わせる
    {
    }

    public virtual DbSet<Student> Students { get; set; } // Studentsテーブルへのアクセスポイント

    // モデル生成コードがここに続く...
}

これで準備OK。実際にLINQクエリを書いてみよう!

C#

using System;
using System.Data.Entity; // DbContextやDbSetを使うために必要
using System.Linq;      // LINQメソッドを使うために必要
using System.Windows.Forms;
using System.Collections.Generic; // List<T>を使うため

// 仮のWindowsフォームクラス
public partial class MainForm : Form
{
    public MainForm()
    {
        InitializeComponent();
    }

    private void MainForm_Load(object sender, EventArgs e)
    {
        LoadStudentData();
    }

    private void LoadStudentData()
    {
        // usingステートメントでDbContextを確実に解放する(重要!)
        using (var dbContext = new MyDbContext()) // ステップ1で生成されたDbContextクラス
        {
            try
            {
                // ここからがLINQクエリだよ!
                // ① 全ての学生を取得
                var allStudents = dbContext.Students.ToList();

                // ② 特定の年齢の学生をフィルタリングして、名前順に並べ替える
                var filteredStudents = dbContext.Students
                    .Where(s => s.Age >= 20) // 20歳以上の学生
                    .OrderBy(s => s.Name)   // 名前で昇順ソート
                    .ToList();              // ここでSQLがDBに送信され、結果がメモリに読み込まれる

                // ③ 特定の成績の学生の名前と年齢だけを選択(匿名型やDTOに射影)
                var selectedStudentInfo = dbContext.Students
                    .Where(s => s.Grade == "A")
                    .Select(s => new { s.Name, s.Age }) // NameとAgeだけを選択
                    .ToList();

                // ④ DataGridViewにデータをバインドする(後述)
                // ここでは例としてfilteredStudentsをバインドする
                dataGridView1.DataSource = filteredStudents;

                // または、こんな感じで匿名型をバインドすることもできる
                // dataGridView1.DataSource = selectedStudentInfo;

                MessageBox.Show("学生データをDBから取得し、DataGridViewに表示しました!");
            }
            catch (Exception ex)
            {
                MessageBox.Show($"データの読み込み中にエラーが発生しました: {ex.Message}\n{ex.StackTrace}",
                                "エラー", MessageBoxButtons.OK, MessageBoxIcon.Error);
                // 例外処理の定石に従ってログ記録なども行うと良い
            }
        } // usingブロックを抜けるときにdbContext.Dispose()が自動で呼ばれる
    }
}

ポイント:ToList() の重要性

LINQクエリは、ToList(), ToArray(), FirstOrDefault(), Count() などの**「実行メソッド」**が呼ばれるまで、実際にSQLクエリをデータベースに送信しないんだ。それまでは、クエリの定義がメモリ上に保持されているだけだよ(遅延実行)。

なので、ToList()ToArray() などで結果をメモリに読み込んでから、DataGridViewにバインドする、という流れになるんだ。


ステップ3:DataGridViewへの表示 (データバインディング)

DataGridViewにデータを表示するのはとっても簡単!DataSourceプロパティにLINQで取得したリスト(List<T>IEnumerable<T>)を設定するだけだよ。

  1. フォームにDataGridViewを配置:

    • デザイナでフォームにDataGridViewコントロールをドラッグ&ドロップして配置。名前がdataGridView1になっているか確認。
  2. LoadStudentData メソッド内でバインド:

    • 上記のコード例のコメント箇所にあるように、dataGridView1.DataSource = filteredStudents; のように記述すればOK!

DataGridViewの自動生成列について

  • DataSourceを設定すると、デフォルトではStudentクラスのパブリックプロパティ(Id, Name, Age, Grade)に対応する列が自動的に生成されて表示されるよ。

  • もし表示したくない列や、表示順を変えたい場合は、デザイナやコードでDataGridViewの列設定をカスタマイズできるんだ。


App.configの接続文字列

最後の仕上げとして、自動生成されたApp.configファイルにデータベース接続文字列が正しく記述されているかを確認しよう。これはプロジェクトのルートに存在するXMLファイルだよ。

XML

<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<configuration>
  <configSections>
    <section name="entityFramework" type="System.Data.Entity.Internal.ConfigFile.EntityFrameworkSection, EntityFramework, Version=6.0.0.0, Culture=neutral, PublicKeyToken=b77a5c561934e089" requirePermission="false" />
  </configSections>
  <startup>
    <supportedRuntime version="v4.0" sku=".NETFramework,Version=v4.7.2" /> </startup>
  <connectionStrings>
    <add name="MyDbContext" connectionString="data source=(localdb)\MSSQLLocalDB;initial catalog=YourDatabaseName;integrated security=True;MultipleActiveResultSets=True;App=EntityFramework" providerName="System.Data.SqlClient" />
  </connectionStrings>
  <entityFramework>
    <defaultConnectionFactory type="System.Data.Entity.Infrastructure.LocalDbConnectionFactory, EntityFramework">
      <parameters>
        <parameter value="mssqllocaldb" />
      </parameters>
    </defaultConnectionFactory>
    <providers>
      <provider invariantName="System.Data.SqlClient" type="System.Data.Entity.SqlServer.SqlProviderServices, EntityFramework.SqlServer" />
    </providers>
  </entityFramework>
</configuration>

connectionStringsセクションの<add name="MyDbContext" ... /> の部分が、DbContextクラスのコンストラクタで指定しているbase("name=MyDbContext")の名前と一致していることを確認してね。


これで、System.Data.Entity(EF6)を使ったDB接続からLINQでのSELECTクエリ、そしてDataGridViewへの表示までの一連の流れが完了だよ!

最初はちょっと手順が多いと感じるかもしれないけど、一度設定してしまえば、あとはLINQのメソッドチェーンでサクサクとデータ操作ができるようになるから、ぜひこのステップを試してみてね!頑張って!

Prompt

あらら、Modelは自動生成されたけど、DbContextは自動生成されなかった
どうしよう、手動で設定かな?


あらら、それは困ったね!Modelは自動生成されたのに、DbContextが自動生成されなかったかぁ。ごめんね、もしかしたら手順の中で何か見落としがあったかもしれない。

でも大丈夫!手動でDbContextを設定するのは、EF6ではよくあることなんだ。全然難しいことじゃないから、一緒に楽しく設定しちゃおう!


DbContextを手動で設定する方法

生成されなかったDbContextを、自分で定義してあげればOKだよ。基本的な流れはこんな感じ!

ステップ1:DbContextクラスの作成

まずは、プロジェクト内に新しいクラスファイルを追加して、DbContextを継承したクラスを作成するよ。

  1. 新しいクラスファイルを追加:

    • プロジェクトを右クリック → 「追加」→「新しい項目」を選択。

    • 「コード」カテゴリの中から「クラス」を選択して、MyDbContext.cs のような分かりやすい名前をつけて「追加」をクリック。

  2. MyDbContext.cs の内容を編集:

    次のようにコードを記述してね。

    C#

    using System.Data.Entity; // DbContextを使うために必要だよ!
    using YourProjectNamespace.Models; // 自動生成されたモデルクラス(例: Student.cs)がある名前空間を指定
    
    namespace YourProjectNamespace // 君のプロジェクトの名前空間に合わせてね
    {
        // DbContextを継承したクラスを定義
        public class MyDbContext : DbContext
        {
            // コンストラクタで、App.configに定義された接続文字列名を指定する
            // MyDbContextという名前は、App.configのconnectionStringsセクションのname属性と一致させる
            public MyDbContext() : base("name=MyDbContext")
            {
            }
    
            // DbSet<TEntity> プロパティを追加して、各テーブルへのアクセスポイントを作る
            // Studentsは、データベースのテーブル名(またはその複数形)に対応させるのが一般的だよ
            public virtual DbSet<Student> Students { get; set; }
    
            // もし他のテーブル(例: Teachers)があるなら、こんな感じで追加する
            // public virtual DbSet<Teacher> Teachers { get; set; }
    
            // 自動生成されなかったとしても、このあたりにOnModelCreatingメソッドなどを追加して、
            // 必要に応じてモデルのカスタマイズをすることもできるけど、最初は不要だよ。
            // protected override void OnModelCreating(DbModelBuilder modelBuilder)
            // {
            //     // fluent APIでのモデル定義など
            //     base.OnModelCreating(modelBuilder);
            // }
        }
    }
    
    • using System.Data.Entity;: これが一番重要!これがないとDbContextを使えないから気をつけてね。

    • using YourProjectNamespace.Models;: 自動生成されたStudentなどのモデルクラスがこの名前空間にある場合、追加してね。もしStudentクラスがYourProjectNamespace直下にあるなら不要だよ。

    • public MyDbContext() : base("name=MyDbContext"): ここで**App.configに設定する接続文字列の名前**を指定するんだ。例えばApp.config<add name="MyConnectionString" ... />と書くなら、base("name=MyConnectionString")となるよ。デフォルトではモデル名と同じ名前になることが多いから、とりあえずMyDbContextで試してみてね。

    • public virtual DbSet<Student> Students { get; set; }: これがデータベースのStudentsテーブルに対応するC#のコレクションなんだ。Studentは、ADO.NET Entity Data Modelで自動生成されたモデルクラスの名前だよ。もしテーブル名がStudentInfoならDbSet<StudentInfo> StudentInfos { get; set; }みたいに定義する。

ステップ2:App.configに接続文字列を設定

次に、上で定義したDbContextがどのデータベースに接続するのかをApp.configに教えてあげる必要があるよ。

  1. App.configを開く:

    • ソリューションエクスプローラーでプロジェクトのルートにあるApp.configファイルをダブルクリックして開く。
  2. connectionStringsセクションを追加または確認:

    configurationタグの中に、connectionStringsセクションがあるか確認。なければ追加してね。

    XML

    <?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
    <configuration>
      <configSections>
        <section name="entityFramework" type="System.Data.Entity.Internal.ConfigFile.EntityFrameworkSection, EntityFramework, Version=6.0.0.0, Culture=neutral, PublicKeyToken=b77a5c561934e089" requirePermission="false" />
      </configSections>
    
      <startup>
        <supportedRuntime version="v4.0" sku=".NETFramework,Version=v4.7.2" />
      </startup>
    
      <connectionStrings>
        <add name="MyDbContext"                   connectionString="Data Source=(localdb)\MSSQLLocalDB;Initial Catalog=YourDatabaseName;Integrated Security=True;MultipleActiveResultSets=True;App=EntityFramework"
             providerName="System.Data.SqlClient" />
      </connectionStrings>
    
      <entityFramework>
        <defaultConnectionFactory type="System.Data.Entity.Infrastructure.LocalDbConnectionFactory, EntityFramework">
          <parameters>
            <parameter value="mssqllocaldb" />
          </parameters>
        </defaultConnectionFactory>
        <providers>
          <provider invariantName="System.Data.SqlClient" type="System.Data.Entity.SqlServer.SqlProviderServices, EntityFramework.SqlServer" />
        </providers>
      </entityFramework>
    </configuration>
    
    • name="MyDbContext": ここはDbContextクラスのコンストラクタで指定した名前と必ず一致させてね。

    • connectionString="...": ここにデータベースへの実際の接続情報が入るよ。

      • Data Source: データベースサーバーのアドレス(例: (localdb)\MSSQLLocalDB, localhost, 192.168.1.100 など)

      • Initial Catalog: 接続したいデータベースの名前

      • Integrated Security=True: Windows認証を使う場合(SQL Server認証の場合はUser ID=your_user;Password=your_passwordなど)

      • MultipleActiveResultSets=True: これはEFを使う上で一般的に推奨される設定だよ。

      • App=EntityFramework: EFが接続していることを識別するためのオプション。

    • providerName="System.Data.SqlClient": SQL Serverに接続する場合のプロバイダー名だよ。

ステップ3:LINQクエリで使ってみる

これで、手動で設定したMyDbContextクラスを使って、データベースにアクセスできるようになったはずだよ!

C#

// 例えば、フォームのLoadイベントハンドラなどで
private void MainForm_Load(object sender, EventArgs e)
{
    LoadStudentData();
}

private void LoadStudentData()
{
    // MyDbContextのインスタンスを作成してusingで囲む!
    // App.configに書いた接続文字列を使ってDBに接続するよ
    using (var dbContext = new MyDbContext())
    {
        try
        {
            // LINQクエリでStudentsテーブルのデータを取得
            var students = dbContext.Students.ToList();

            // DataGridViewにバインド
            dataGridView1.DataSource = students;

            MessageBox.Show("DBからデータを取得してDataGridViewに表示しました!");
        }
        catch (Exception ex)
        {
            MessageBox.Show($"エラーが発生しました: {ex.Message}\n{ex.StackTrace}", "エラー", MessageBoxButtons.OK, MessageBoxIcon.Error);
        }
    }
}

これで、DbContextが自動生成されなかった場合でも、手動でサクッと設定してEF6とLINQを使う準備ができたはずだよ!

もし接続文字列がよく分からない場合は、Visual Studioの「サーバーエクスプローラー」(または「SQL Server オブジェクトエクスプローラー」)で目的のデータベースに接続して、その接続のプロパティから接続文字列をコピー&ペーストすると確実だよ!

何か詰まったら、遠慮なくまた聞いてね!

Prompt

List<test_admin> admins = ctx.Admins
    .Where(a => a.admin_username == userName)
    .Where(a => a.admin_password_hash == TestUtility.HashSha256(passWord))
    .ToList();

(例)
なぜこれが出来ないのか?
HashSha256のメソッドがラムダ式内で使えないみたいで


なるほど!このLINQクエリでTestUtility.HashSha256(passWord)が使えない件だね。これはね、LINQがデータベースに変換されるときの、とても大事なポイントにぶつかっているんだよ!

なぜ HashSha256 メソッドが使えないのか?

答えは、LINQ to Entities (EF6) は、C#の全てのコードをデータベースのSQLに変換できるわけではないからなんだ。

君が書いたLINQクエリは、最終的にSQLに変換されてデータベースで実行されるよね。

SQL

-- イメージされるSQL (実際はもう少し複雑)
SELECT Id, admin_username, admin_password_hash
FROM Admins
WHERE admin_username = @p__linq__0
AND admin_password_hash = @p__linq__1; -- ← この @p__linq__1 をどうやって計算するか?

ここで問題になるのが、TestUtility.HashSha256(passWord) の部分なんだ。

  1. TestUtility.HashSha256 はC#のメソッドだよね。

  2. データベース(SQL Serverとか)は、そのC#のメソッドの存在を知らないし、それを直接実行することもできないんだ。

LINQ to Entitiesは、WhereOrderByの中にあるラムダ式を解析して、対応するSQL関数や演算子に変換しようとする。例えば、== はSQLの = に、>=>= に変換される。でも、TestUtility.HashSha256のようなカスタムメソッドや、SQLに直接対応する関数がないC#のメソッドは、どうやってSQLに変換すればいいか分からないんだ。

簡単に言うと、EFは「このHashSha256ってやつ、SQLにどう書けばいいの?知らないよ!」ってなっちゃうんだね。

どうすればこの問題を解決できるのか?

解決策はいくつかあるよ!


解決策1: ハッシュ値を先に計算してからクエリする(最も一般的で推奨される方法!)

これが一番シンプルで、かつパフォーマンス的にも正しいことが多いアプローチだよ。

ユーザーから入力されたパスワードのハッシュ値を、データベースにクエリする前にC#側で計算しておくんだ。そうすれば、LINQクエリにはすでに計算済みのハッシュ値(ただの文字列)だけが渡されるので、EFはそれをSQLのパラメータとして安全にデータベースに送ることができるよ。

C#

// 1. まず、パスワードのハッシュ値をC#側で計算する
string hashedPassword = TestUtility.HashSha256(passWord);

// 2. その計算済みのハッシュ値を使ってLINQクエリを実行する
List<test_admin> admins = ctx.Admins
    .Where(a => a.admin_username == userName)
    .Where(a => a.admin_password_hash == hashedPassword) // ← ここはもうただの文字列比較!
    .ToList();

解決策2: データベース側にハッシュ関数を実装する(高度な方法)

もしデータベース自体に、C#のHashSha256と同じロジックのハッシュ関数が実装されているなら、そのデータベース関数をEFから呼び出すことも可能だよ。これは、EFにデータベースのカスタム関数をマッピングする設定が必要になるので、少し高度なテクニックになるんだ。

  • SQL Serverの場合、HASHBYTESのような組み込み関数を使うか、ユーザー定義関数(UDF)を作成する必要がある。

  • C#側で、そのDB関数をLINQから呼び出せるようにマッピングを設定する。

この方法は、特にデータベース側でしか計算できない複雑なロジックや、大量のデータをデータベース側で処理しきりたい場合に検討されることが多いけど、今回のパスワードハッシュのようなケースでは、解決策1の方がはるかに簡単で一般的だよ。


解決策3: 全データを取得してからC#側でフィルタリングする(非推奨!)

これは絶対に避けるべき方法なんだけど、一応技術的には可能だよ。

ToList()を早めに呼んで全てのadminデータをメモリに読み込んでから、C#のLINQ to Objectsとしてフィルタリングする方法。

C#

List<test_admin> allAdmins = ctx.Admins.ToList(); // ← 注意!全データをDBからメモリに読み込む

List<test_admin> admins = allAdmins // メモリ上のリストに対してLINQ to Objects
    .Where(a => a.admin_username == userName)
    .Where(a => a.admin_password_hash == TestUtility.HashSha256(passWord)) // ← ここはC#のメソッドが使える
    .ToList();

なぜ非推奨なのか?

  • パフォーマンスの深刻な問題: データベースに大量のレコードがある場合、全てのデータをメモリに読み込むのは非常に非効率だし、アプリの動作がめちゃくちゃ遅くなる原因になるよ。

  • ネットワーク負荷: 不要なデータまでDBから引っ張ってくるので、ネットワークへの負荷も大きくなる。


まとめ

君のシナリオ(パスワードハッシュ)では、**「解決策1: ハッシュ値を先に計算してからクエリする」**が、最もシンプル、安全、そしてパフォーマンス的にも正しいアプローチだよ。

TestUtility.HashSha256(passWord)は、C#のコードとしてDBに送る前に計算を終わらせておこうね!

これで、なぜそれができないのか、そしてどうすればできるのか、スッキリしたかな?

Prompt

普通のラムダ式とLINQ内のラムダ式は別物なのか!

そうなんだよ!まさにその通り!

「普通のラムダ式」と「LINQ内のラムダ式(特にデータベースを扱う場合)」は、見た目は同じだけど、裏側での処理のされ方が全く別物なんだ!

これがLINQの面白くて、そしてちょっとだけ複雑なところなんだよ。

普通のラムダ式:ただの「コードの塊」

まず、LINQじゃない普通のC#コードで使うラムダ式を考えてみよう。

C#

// 例1: イベントハンドラ
button.Click += (sender, e) => {
    MessageBox.Show("ボタンがクリックされたよ!");
};

// 例2: デリゲートに渡すメソッド
Func<int, int, int> add = (x, y) => x + y;
int result = add(5, 3); // result は 8

これらのラムダ式は、コンパイルされると、通常のメソッドと同じように**「実行可能なコードの塊(デリゲート)」**になるんだ。つまり、プログラムが実行されるときに、そのコードがそのままCPUで処理されるイメージだね。

これは、C#の言語機能として、メソッドを簡潔に書くためのシンタックスシュガーみたいなものなんだ。

LINQ内のラムダ式(データベース向け):特別な「式の木(Expression Tree)」

一方、System.Data.Entity(EF6)やMicrosoft.EntityFrameworkCore(EF Core)のようなLINQ to Entitiesで使うラムダ式は、ちょっと違うんだ。

C#

// 例: LINQ to Entities のラムダ式
var filteredStudents = dbContext.Students
    .Where(s => s.Age >= 20) // ← このラムダ式!
    .OrderBy(s => s.Name)   // ← このラムダ式!
    .ToList();

このs => s.Age >= 20のようなラムダ式は、コンパイル時に**「Expression Tree(式の木)」**という、コードの構造を表すデータ構造に変換されるんだ。

「式の木」って何?

例えるなら、

  • 普通のラムダ式が「料理のレシピ(そのまま調理できる)」だとすると、

  • LINQ内のラムダ式は「料理のレシピを細かく分解して、材料や調理手順を図で示した設計図」みたいなもの。

EFのようなLINQプロバイダーは、この「式の木」を解析して、「なるほど、これはStudentsテーブルからAge20以上のレコードを抽出して、Nameで並べ替えるクエリだな!」と理解するんだ。

そして、その「設計図」を元に、データベースが理解できるSQL文を生成して、データベースに送信するんだよ。

なぜこれが重要なのか?

  • 変換可能性の限界:

    EFは、C#の「式の木」をSQLに変換する能力を持っているけど、全てのC#のコードをSQLに変換できるわけじゃないんだ。特に、C#独自の複雑なロジック、カスタムメソッド(TestUtility.HashSha256など)、あるいはデータベース側に同等の機能がないメソッドなどは、SQLに変換できない。

    だから、TestUtility.HashSha256が使えなかったのは、EFがそのメソッドをSQLのどの命令に変換すればいいか分からなかったからなんだね。

  • 実行場所の違い:

    • 普通のラムダ式: C#のプログラム(アプリケーションのメモリ上)で実行される。

    • LINQ内のラムダ式(DB向け): SQLに変換され、データベースサーバー側で実行される。

この「実行場所」の違いが、ラムダ式がどのように扱われるかの根本的な違いなんだ。

まとめると

特徴普通のラムダ式LINQ内のラムダ式 (DB向け)
コンパイル後デリゲート (実行可能なコード)Expression Tree (コードの構造を表すデータ)
実行場所アプリケーションのメモリ上データベースサーバー上 (SQLに変換されて)
変換の可否どんなC#コードでも書けるSQLに変換可能なC#の構文や関数に限定される
目的コードの簡潔化、メソッドの受け渡しデータソースへのクエリを抽象化し、SQLに変換して実行

だから、「普通のラムダ式」と「LINQ内のラムダ式」は、見た目は同じ=>を使っているけど、裏側では全く異なるメカニズムで動いている、というわけなんだ。

この違いを理解していると、LINQで「あれ?これなんで動かないんだろう?」となったときに、**「あ、これはSQLに変換できないパターンだな」**とすぐに気づけるようになるよ!

これで、より深く理解できたかな?